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不器用なバラ

  • Day:2012.05.30 07:41
バラというより果実。
重なり合った花びらのフリルから、
オールドローズとラズベリーの甘酸っぱい香りが立ち上る。


不器用なバラ


我が家の庭では、立て爪の奥に押し込まれた宝石のように咲く。
女王様を早めにレスキューしてあげないと、
周りの親衛隊に押されて窮屈になってくる。
上の蕾が横に倒れないので、挟まってしまうのだ。

こうして助け出された女王様は、優美で重たいドレスを
自慢げにお座りになる。
こんな風にね。


この花らしく咲かせたくて、蕾の数を減らしていない。
不器用な咲き方には、何か理由があるような気がするし、
長い萼を誇らしげにしている姿を見るのも好き。

ヨーランド・ダラゴンは19世紀にJean-pierre Vibertが作出されたバラ。
彼が作出した優美なバラは、ルドゥテも描いたそうだ。

バロックな花形で、今の流行のものとは、ひと味違う。
ポートランド、ノワゼット、ハイブリッドパーペチュアル
どの系統に分類するかもはっきりしていない。

なによりも香りが素晴らしい。
お花ごと水に入れれば、バラ水の出来上がり。
香しい、美味しいお水になる。
花をしばらく浸けたお水をコーヒーフィルターなどで漉して、
冷やしておけば長く楽しめる。
当時の女性たちも同じように楽しんだかもしれない。

バラの名前のヨーランド・ダラゴンさんは
ジャンヌダルクの庇護者として知られる知性派の女性。

オールドローズは幾重に重なる花びらのように、
累々とした歴史の謎の香りに包まれている。


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