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瞬く光の記憶

  • Day:2012.04.06 07:31
瞬く光の記憶852


最初の光の記憶といえば
あれは7歳ぐらいのことだったか。
もう少し小さかったかもしれない。
遠くの祖父母の家に親と離れて一人で泊まった時のことだ。

同じような構造の古い一軒家が二棟並んで建っていた。
その二階同士は行き来が便利なように「橋」でつながっている。

どちらの家も古かったが片方の家は当時ほとんど使われていなかったため
家1から家2への移動は時間旅行の趣きがあった。

急な階段を手をぺたぺた付きながら昇ると、ほの暗い二階に着く。
雨戸が閉まっている。木の雨戸から薄く映写機のような光りがもれている。
畳は少し黴臭くて湿っぽい。

ぎしぎしと音がする。次第に暗い所に目が慣れてきて「橋」へ向かう。
掛けがねを外して戸を開けるとそこはさながら古い貨車の中だった。

お尻をついて膝を抱える。

どこからか風が入ってきている。
貨車のつなぎ目にあたる扉が時折風で動く。
暗闇が少し怖いけれどなぜか居心地がよい。

点々とした光が壁からもれてきている。
目を凝らすとトタン板が錆びて細かい穴が開いている。
そこから小さな光がやってくる。
ちらちらと瞬く数えきれないほどの
光 光 光 



今でも現代美術館のビデオインスタレーションの
暗い部屋の片隅にじっと座り込むと落ち着くのは
その頃の名残かもしれない。








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