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Cとの会話

  • Day:2012.03.28 07:37
「このお店、いい感じだよね。」

近くのお店へCとランチを食べに行った。
天井が高く、大きくリノベーションをしたコンクリートの壁は
わざとラフに仕上げられている。

Cは自分の親はもちろん私のことも名前で呼ぶ。
半分フランス人の血が入っている。
服が大好きだ。
といっても親世代から見てとんでもないものではなく
ティーンの割には趣味がいい。
場所にすとんとなじむ服を着ている。

このお店は二階に仕立ての洋服屋さんがある。
世界中から集められたエスニックな雰囲気の生地で仕立ててくれる。

一階には食事をするスペースと小さな雑貨のお店。
この日は混んでいてお店の人も忙しく
注文をようやく取りにきたものの、しばらく待ちそうだ。
Cはお店の「TRANSIT」という雑誌のページをめくってる。

隣の席との間のパーティションは
うねうねとしたガラスの質感の素材でできている。
ランチの時間にはちょうどいい光の射し具合で明るく輝いている。
目を少し横にずらすと虹色がちらっと光る。
波ガラスを通して人の手の動きが見える。

影絵みたいで面白いね。
ギザギザのワッフルの型で焼いたみたいな形だけれど
その残像がちゃんと「人の手」の記憶として私の中に残るって不思議だと思わない?
決して隣の席の人がワッフルを振りまわしていた、という風には思い出さない。

ワッフルのところでCが笑う。
「お腹減ってきた」
猫背になりながら、みぞおちの辺りを両手でさする。

まあ、こんな風に人の記憶とはあやふやなもので
フィルターがかかっていてもそれだって分かるのってすごいよね。

少し短めのスカートを下になんどもひっぱり降ろしながらCは
「でも知らない人が写真を見たらワッフルの影と思うかもしれない」


そう、これは私の記憶の仕方なんだ。
みんなそれぞれの方法で自分の引き出しにしまっている。

「そういうの考えるのって、何かに役に立つの?」

私は困って言葉を探す。

助け舟のように
お待たせました!の声がして
ようやく今日のパンプレートがやってきた。

Cの頬がゆるむ。
頂きましょう。

Comment

ぷぷぷ。

>「そういうの考えるのって、何かに役に立つの?」

それって意味ある?

私もよく聞かれる^^
最近は甥のほうかな

昔、答えをくれるおとなはいないんだって
アンニュイにしらけた自分をよく知っているので、
つい真剣に答えてしまう・・・

ただ男の子は説明すると余計わからなくなるらしく
簡潔なことばがいいみたい。

絵が得意な子なので
頭の中では言葉の意味より、
ヴィジュアルに変換されてると思うけど。

Cちゃんはガラス越しに揺れるワッフルの意味を
自分なりにいつか変換されておさまっていくのかな。。

いいお話ね、今回も。
  • 2012/03/29 11:04
  • ほんだみえ
  • URL
ほんだみえさん

遅くなってしまって。。

>昔、答えをくれるおとなはいないんだって
>アンニュイにしらけた自分をよく知っているので、

そうねえ。
たとえ、答えてくれたとしても
納得しないような気もしたりして。

ただ、真面目に対応してくれたという記憶は
残るでしょうね ^^

いつも読んで下さってありがとう。
  • 2012/03/31 19:54
  • むらかみえみ
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