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ピナ・バウシュ vol.2-body language

  • Day:2012.03.23 07:33
映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を観た。

彼女が率いるヴッパタール舞踏団のメンバーの年齢層は幅広い。
さまざまな年齢の身体や個性が発するボディランゲージを、
ピナは大切にしていた。それをダンスにしているのだ。
それぞれに愛おしい身体達とその動き。

一番コミカルでクスッと笑ってしまったのは
モノレール(おそらく)に乗り込んでくる中年女性。
白い大きな袋を抱えている。体型もボリューム満点。
一足歩くごとにbom! bom! という擬音とともに座席に向かう。

若い男性のダンサーは崖の上で踊る。
地面に脚を擦りつけるように激しく。

あるいは満月の光の下、男女が水溜まりの中で
踊り続ける。小鳥のようなキスを繰り返しながら。

トウシューズで中年女性が踊るシーンがある。
その前に女性は唐突に「これは子羊の肉です」と言って、
二枚の小さめのカツレツサイズの肉をトウシューズの中に入れ、
当然のように自分の足を入れて踊り始めるのだ。

まずは足の中でつぶれる子羊の肉が気になる。
次第に同じ様に彼女自身の重みを一点で受けている
つま先の指一本一本に意識が集中される。
彼女のつま先は子羊の肉と同じになっているはず…

肉体の重さを感じさせてはいけない
クラシックバレーの基本を飄々と乗り越えてしまう。

映画が終わって外に出た。
スクランブル交差点を渡りながら人々の動きを見る。
その身体から頭の中で、それぞれの道具を取り外す。
ハイヒールの靴を、あるいは携帯を。

そこに見えるのは、
つま先立ちで歩く人、人、前かがみで首を特定の角度で
指先が宙で舞っている人、人だ。



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家に帰って喉が渇いたので、
ふと思いついて、いつものペリエにダークチェリーを入れてみた。
勢い良く複雑に回り続ける。

自由に踊ろうよ。
映画の副題、踊り続ける命、さながらに。

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