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薔薇のパルファム

  • Day:2012.07.11 07:37
薔薇のパルファム

というタイトルの本を以前に読んだ。

この本で何よりも驚いたのは、写真だ。
表紙のバラこそ美しいが、中のカラーページは、
かなりシュールなものだったからだ。

ガーデナーだったら、絶対見せたくないような、
長雨の後の病気だらけになったバラの葉。
雨染みで散りかけの花びら。

しかも、これはかなり専門的な香りの本。
良い香りが誌面から立ち上るような写真を、
期待されているはずなのに、そこから感じたのは、
湿気を含んだ饐えた匂いだった。


撮影者である石内都さんの写真は、
女性の体、それも傷や爪の先など、
痛みを感じる被写体が多い。
そのバラ版といった体をなしていた。
女性だったら曝したくない部分。

その写真と遭遇したのは、手術直前の待合室だった。
バラの香りで気分を楽にしようと持参していた。
開いてびっくりした。

もし違う状況だったら、異なった感想を持ったはず。
デミアン・ハーストのグロテスクな作品だって、見る時は見る。
シチュエーションというのは大きな意味を持っている。

ガーデナーとアーティストの目線も違う。

美しい花の写真は記憶に残らない事が多い。
だからこそ、忘れがたい違和感として、
考えさせられる一冊であった。


『薔薇のパルファム』 著/蓬田勝之 撮影/石内都

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