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スウェーデンの宝の森

  • Day:2012.07.12 07:40
スウェーデン1


高速道路のような一本道。
湖がジクソーパズルのように入り組んで、
右に左に湖が現れる。青と水色と緑が点々と散りばめられた眺めは、
日本では珍しい風景だと思う。

スウェーデンのスモーランド(Småland)地方を旅したのは、
ガラスの王国と呼ばれる、ガラス工房が点在する地域があったから。
ヴェクショー(Växjö)市はそんな場所にある。

車からふと眺めると、脇の森の中で人々が腰を屈めて何かをしている。
何をしているんだろう。車から降りて、Wと一緒に森に入る。

壮年のご夫婦らしき男女が赤い実を摘んでいる。
Hello!と声をかけると、鳶色の髪とヒゲの男性が
What do you want?
少し気色ばんだ声で答えた。

何を採っているのかを、知りたがっている事が分かると、
男性の目元が柔らかくなった。

英語で何というのか分からないけれど、
スモーランド(Småland)の〇というんだよ。

聞き取れなくて、体を近づけたら、
私の耳を指差した。

ん?

君がしているそれだよ。ゴールド。
あ、金のイヤリングのことか。

スモーランドの金。なんて素敵な名前。
北欧では、野生のベリー類は誰でも自由に採っていい。
法律できちんと定められている。

もっと森に居たかったが、迷子になってもいけないので、
お礼を言って、再び車上の人となった。

この森に再び来る事はないのだろう、そんな想いにふけりながら、
茂みを眺めると、先ほどのお二人が手を大きく、
ゆっくり、ゆっくり、振っていた。

どうぞ良い旅を。
大海に漕ぎ出す船を見送るように。

映画の一シーンのような光景に胸が熱くなった。

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