FC2ブログ

窓 - lapis lazuli

  • Day:2012.05.31 07:41
窓の話 - purple


進むべき方向が見えない時がある。
いくつも方向が有る様でいて無いような。
何も進んでいないような気分になる。

そんな時は透明な船に乗って、
するんと漂っている自身の姿を想像する。

うん、うまく、流れている。
そんな感覚を小さく手に握ってみる。

力が少し戻ってくる。


不器用なバラ

  • Day:2012.05.30 07:41
バラというより果実。
重なり合った花びらのフリルから、
オールドローズとラズベリーの甘酸っぱい香りが立ち上る。


不器用なバラ


我が家の庭では、立て爪の奥に押し込まれた宝石のように咲く。
女王様を早めにレスキューしてあげないと、
周りの親衛隊に押されて窮屈になってくる。
上の蕾が横に倒れないので、挟まってしまうのだ。

こうして助け出された女王様は、優美で重たいドレスを
自慢げにお座りになる。
こんな風にね。


この花らしく咲かせたくて、蕾の数を減らしていない。
不器用な咲き方には、何か理由があるような気がするし、
長い萼を誇らしげにしている姿を見るのも好き。

ヨーランド・ダラゴンは19世紀にJean-pierre Vibertが作出されたバラ。
彼が作出した優美なバラは、ルドゥテも描いたそうだ。

バロックな花形で、今の流行のものとは、ひと味違う。
ポートランド、ノワゼット、ハイブリッドパーペチュアル
どの系統に分類するかもはっきりしていない。

なによりも香りが素晴らしい。
お花ごと水に入れれば、バラ水の出来上がり。
香しい、美味しいお水になる。
花をしばらく浸けたお水をコーヒーフィルターなどで漉して、
冷やしておけば長く楽しめる。
当時の女性たちも同じように楽しんだかもしれない。

バラの名前のヨーランド・ダラゴンさんは
ジャンヌダルクの庇護者として知られる知性派の女性。

オールドローズは幾重に重なる花びらのように、
累々とした歴史の謎の香りに包まれている。


マティスの赤い空間(後編)

  • Day:2012.05.29 07:36
先日、国立新美術館で開催中の大エルミタージュ展を見てきた。
お目当てはもちろんマティス。


マティス4

La Desserte rouge
赤の食卓(赤い部屋、赤のハーモニー(通称名))
1908年
180×220cm

展覧会のトリと言ってもいい場所で、薄い灰色の壁に飾られていた。
予想していたより赤がフレッシュで、若い絵に見えた。
百年以上も前のものなのに。



実物の絵に出会えた喜びとともに、説明が難しい違和感も覚えた。

一つは、図版とかなり違うこと。
展覧会を紹介するテレビ番組を観ていたから、
この絵が最初は緑色ベースで描かれ、
後にマティスの考えで赤色に変えられたことは知っていた。
ふちに残った緑色(この写真では黄土色っぽい)が
空間手法として意図のある残り方をしているのに、
有名な研究者が書いた本の図版でも両端が切られていたのだ。


左側の椅子の座面だけが表面に残っている不思議さ、
右側の女性の白いエプロンが赤い食卓をくるんでいるような効果が、
失われてしまっている。

以前の記事「マティスの赤い空間(前編)」を参照して頂きたい。

(上の写真はテレビの画像からとったものなので
額縁は日本の会場のものと少し違うことは、ご容赦を。)



もう一つは、絵の若さと金色の額縁が現代の目線で見ると
どこかミスマッチな感じがしたこと。

マティスは金色の額縁を好んだ。
金色が反射して画面に太陽の自然な色を運んでくれるからだ。
だからこの絵は、額縁を含めた作品なのだが...

ただ、金色の額縁は足し算のものであるのに対して
意図的に残された緑のふちは言わば引き算の額縁。
プラスとマイナス、この計算がうまくいっていない印象を受けた。

この会場に飾る場合は、キャンバスのみの方が素敵に見えるのではないかと。
赤い絨毯を壁に飾るような効果がでただろう。

マティス先生の声が、天上から聞こえるような気がする。
「何を言っとるんだ」
「絵を購入してくれたシチューキンは喜んでくれたよ」

はい、ごもっとも。
絵は公共性もあるけれど、元々は個人の娯楽だものね。



さて、少し赤の世界から離れて、深呼吸したくなった。

マティス6


Fille avec des tulipes
少女とチューリップ
1910年
92×73.5cm

この大作の横に飾られていたマティスの小品。
絵はがきでこんな風に遊んでも。

クローバーのつぶやき

  • Day:2012.05.28 07:36
クローバーのつぶやき


さっきから何かゴソゴソされてる。
どうも四つ葉くんを探しているらしい。

いいじゃない、三つ葉だって。
ほら、色も変わってるし。

充分でしょ。



クローバーについて

フルーツバラ

  • Day:2012.05.26 07:38
バラの果物


夕陽が昇った日

  • Day:2012.05.25 07:35
金環日食

いつもは閑散としている公園には人が集まっていた。
近所の工事現場の人も普段より早く来ていた。
お祭りとは違うけれど、静かな期待のような気配が、
建物だらけの街に満ちていた。
犬の散歩をしながら観測する家族も。




きんかん3

太陽が欠け始めた。




きんかん2

Wが庭の水やりをしながら、
時折、専用の黒いプラスチック板をかざす。

特別な空気が辺りを包む。
辺りが次第に青色からセピア色の風景に変わっていく。


そこで、はたと気づいた。
庭は東向きで片側に建物があるので、
遅い午後の光を直接浴びることはない。
植物の生育には午前中の光の方がいいものの、
夕暮れ時の温かな光に包まれた庭も見たかった私。
でも、太陽の向きは変えられない...

ああ、その願いが、こんな形で叶ったのだ。
花の季節に。




きんかん4

雲のお陰で金環日食もカメラに収めることができた。
その瞬間、近くの公園の人達からも歓声が上がった。
太陽の恵みの素晴らしさを分かち合えた素晴らしい日だった。

コルビュジェの窓を遊ぶ

  • Day:2012.05.24 07:39
片付けをしていたら、懐かしい写真が出てきた。

コルビュジェの建築、サヴォア邸である。
パリから電車で30分ぐらいのPoissy(ポワッシー)という街にある。

当時、Cがここに住んでいたので、散歩がてら出かけた。
サインが分かりにくく、裏木戸から入るように、敷地内に入った。
芝生の庭によく手入れされたモダンな邸宅が待っていた。

古い本をめくって、美しい詩に出会えるように。
体ごと、包み込んでくれる詩。
外の寒さを忘れる温かな日差し。
言葉を尽くしても伝えられそうもない。

この空間を味わう為にぴったりの動画があるので、まずはこちら
サヴォア邸は6:15から始まるが、全編すばらしいので是非。
エリック・サティのBGMも心地よい。



近代建築のエッセンスがぎゅっと詰まった空間であっても、
建築家の理念とは別に、自由に感じてもいい。
詩の味わい方と同じ。

一番気に入った場所は、リビングから一続きになった中庭。
個人が楽しむ庭というより、パーティ用のスペースだろうか。
元々別荘として作られた家なので生活感は少ない。
係の女性がこの場所に暖かみを与えていた。


コルビ1_1


冬が近づいていた。
閉ざされた透明な大きなガラス戸は引き戸で開けられるように、
設計されていたが、大きく重い扉の常で、頻繁には動かせないはず。
私はどうやって大きな窓の外に行ったのだろう。


コルビ2


リビングの正面にある、小さな窓の部屋は落ち着く。
ラジエーターまで青なのがいい。
窓の奥には、先ほどの女性が見える。


コルビ3


キッチンの食器棚からも、リビングを覗いてみた。
昔も、お客様の様子をそこから見て、
料理や飲み物が運ばれたのかもしれない。


あちこち動いて、窓から、窓を重ねて見た。
この感じは何かに似ている。
そう、ジャングルジムを遊ぶ子供の目線と動きと同じ。
体が大きくなった分だけ、目も体もゆっくり動くけれど。

建築の楽しさには案外そんな感覚が潜んでいるかもしれない。

大人の遊びには、ちょっとした理屈や仕掛けがいる。
それを口実にして、子供のように楽しんでいる人も少なくないのでは。



コルビュジェの関連記事はこちらにも

猫の散歩道

  • Day:2012.05.23 07:43
猫小路と呼んでいる道を通って図書館に行く。

歩きながら、青山ブックセンターで開かれた
保坂和志さんと豊崎由美さんのトークショーを思い出した。
作家の保坂さんは無類の猫好きなのだ。

以前、豊崎さんの辛口批評を聞いて興味を持っていたので
そのイベントに足を運んだのだった。


猫の散歩道


さて、図書館に着いてお目当ての本を探していたら
思わぬ所で保坂さんの『猫の散歩道』が目に入った。
持っている本と同じ緑の表紙。
違う番号の書架に押し込まれていたのだ。

こんな遠いところまで散歩したりして…
気をつけてね。

元の住処にそっと『猫の散歩道』を戻した。


ローズゼラニウムと網戸

  • Day:2012.05.22 07:38
ローズゼラニウム


センテッドゼラニウムの仲間達が好き。
新しい葉の香りが良く、さわって楽しんでいる。
アイスクリーム屋さんのように種類が豊富。

レモン
アップル
オレンジ
ストロベリー
パイナップル
シナモン
ジンジャー
チョコレートペパーミント

ヘーゼルナッツゼラニウムの花が赤で一番大きかったかな。
匂いは、そういえば… というのと、ぴったり!というのがあって、
夢中になってハーブ園に通い、集めていた時期があった。
新しいフレーバーは試したくなるもの。



今育てているのはローズゼラニウム。
花屋さんで手提げ袋に入れてもらって、
歩いていたら、葉がこすれてなんとも優しい香りに包まれた。
八重桜の下を歩いている時だったので、そちらかと思ったが、
手元から香りが立ち上っていて、思わず鉢の重さを忘れた。



もう一ついい事があって、蚊除けになるそう。
カレンソウ、カコロンの名前で同じ仲間が花屋さんの店先に並ぶ。
自作のアミド柄のグラスに挿してみた。



センテッドゼラニウムの詳しいこと

グラス(Window glass amido)の取扱いはこちら


窓 - moss agate

  • Day:2012.05.21 07:39
窓の話 - モスアゲート


会話の焦点が微妙にずれている。
人が集まって、長時間議論した割には、成果が出ていない。

休憩時間に外の庭に目をやる。緑が眩しいぐらいだ。

次第に、初夏の光が柔らかく当たった眺めが、視界に入ってくる。
窓から時折入ってくる風も素肌に心地よい。

暗い部屋でじっと座って見ている自分。
外に出て新鮮な空気を吸おう。

きっと、ずっと、いい。



デュランディ

  • Day:2012.05.19 07:36
デュランディ3


モダンリビング

  • Day:2012.05.18 07:40
1930年頃のモダニズムと
現代のモダンリビングの違いについてどう思う?


コル1

Architect
Hans Scharoun


学生時代の友人とはいえ、
電話でやりとりするには、唐突すぎる話。
こんな質問をしたのは1928年の雑誌に掲載されていたモダニズムの室内が、
今と、さほど変わっていないように見えたから。

忘れかけてた語彙を拾い集めながら、
ゆっくりと会話のラリーが続く。


   建築そのものは大して進化していないけれど
   住む人が変わったかもしれない。
   お金持ちから普通の人に。
  

間抜けなインタビュアに、訥々と言葉を探しながら、
誠実に答えてくれる。

当時、安価で清潔で合理的な住宅として考案されたモダニズムの建築は
現実にはブルジョアのものだった。


コル2

コルビュジェのサヴォア邸の写真を見直してみた。
大上段に構えて、話を難しくしてしまったけれど、
最も、気になっていたのはこの柱の細さだ。
ピロティと呼ばれる建築様式。

図体に比べて細すぎる印象。
構造計算されていることは分かっていても、
震災があってから、敏感になっている。


   建物が通行を邪魔しないように
   自由に行き来する為なのよ。
   広く使えるし。


なるほど。建物が地面を覆い尽くす風景を見慣れているせいか、
通路という役割については考えが及ばなかった。

最近、ピロティという言葉は一般的ではないが、
そういえば、商店街のアーケードや駐車場として見かける。
地震には多少弱いけれども、逆に津波には強いそうだ。



その時、足下を何かがすり抜ける気配が。


コル3

ねえ、難しい話は無しにして、たぶんピロティって奴、
僕も使わせてもらっているんだけど。

Hの間の取り方は、絶妙である。



サヴォア邸についてこちらもどうぞ。

ベルサイユのばら

  • Day:2012.05.17 07:40
という名のバラ。
20日まで開催中の国際バラとガーデニングショウで、
漫画とタイアップで初公開されている。
実に分かりやすいネーミング。素晴らしい。
www.keiseirose.co.jp/


ベルサイユのばら

こちらは育てている、ムンステッドウッド
去年のショウで一目惚れした。
黒みががった赤から紫に変わっていく。香りも良い。
イングリッシュローズだけあって、ゴージャスな中にも、
すっきりした印象が残る。



数年前から育てているバラの名前は、耳慣れない名が多く、
記憶の引き出しから、すっと、出て来ない時がある。

セント・エセルバーガ
ヨーランド・ダラゴン

両方とも歴史上の人物の名前。
もっぱら濁音が多いせいにしている。
引き出しがどこかでつっかえているに違いない。



それなのに昔覚えた呪文のような植物の名前は
いつでも唱えられる。

オーニソガラム・ウンベラタム
サンダーソニア・オーランチカ

遠い昔の冬の楽しみ、それは春に植える植物のプランを立てて
園芸カタログを熟読することだった。
ベッドに持ち込んで付箋紙を貼り、繰り返し見る。
注文用紙に書くまで検討に検討を重ねた。

漫画以上に熱心に読んだもの。



ところで、『ベルサイユのばら』の登場人物の名前をフルネームで言えるだろうか。

マリー・アントワネット・ジョゼファ・ジャンヌ・ド・ロレーヌ・ドートリシュ
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
アンドレ・グランディエ

先日ある女性が誇らしげに暗唱をしてくれた。
(フェルゼンだけ名字だったのか…)

この呪文も良いね。



記憶の衣替えは、少しでいいのかも。
そっとしまわれている大切なものは、
どうかそのままで。


第14回国際バラとガーデニングショウの詳細はこちら。
www.bara21.jp/14kai/

窓 - rose quartz

  • Day:2012.05.16 07:43
rose quartz


また、やってしまった...
これじゃ、まるで欲しくなかったみたい。

好意や贈り物を頂いた時のリアクションが本当にヘタ。
喜んでいるのだけれど、センスがいい時ほど、
後でじっくりイメージを膨らませてから、なんてやっている。
むっつりスケベじゃないですよ。あ、でも、ほとんど同じに見えるか...

色々考えて選んでくれた、その姿に思いを巡らせて、
「うれしい」って言えばいいだけなのにね。


カーテンの美学

  • Day:2012.05.15 07:37
マグリットのこの作品を見て、はっとした。

カーテンの美学1

Les misanthropes
1942


私がイメージするカーテンの理想形はここにあったのか。

低い位置で結ばれたタッセル。
何より、窓枠に近い縦のラインが真っ直ぐであること。

日本の住宅事情では、一般的にはこのラインはこうはならない。
天井が低いので、生地の長さが足らなくて重みがでない事と、
カーテン止めの金物を固定する木の桟が布の外側のラインよりずっと内側にあるからだ。

結果として、カーテンはどことなく中途半端な女の子のお下げ髪のような
甘い雰囲気になるし、全体的にだらっとする。
それが苦手で、今までできるだけ使わないようにしてきたのだが、
ここは横長の窓なので、カーテンにお世話になるしかなかった。


カーテンの美学

それを解決してくれたのが、この金属の器具。アームホルダーというらしい。
「J」の形になっていて、壁や枠に止めた部分を支点に回転する。
生地全部をこの「J」の中に入れてもいいのだが、
私は二つ折分ぐらいを外して、垂直にすっきりと下げるのが好み。
これで、片側の縦ラインが真っ直ぐな理想型が完成する。

滑らかな生地を選ぶのもポイント。
女性の髪と同じで、しなやかにまとまる。
勧めてくれた女性スタッフは生地の滑らかさを愛おしむようになでていた。
カーテンなんて身にまとう訳ではないので
その時はピンと来なかったが、後になってそのメリットが分かった。

猫の爪もひっかからなくて助かる。



ところで、マグリットの上の作品名、Les misanthropeを翻訳すると
「人間嫌い」。モリエールの有名な喜劇と同じ題名だ。

外側と内側の世界の中間点に立ちながらも、カーテンはインテリア(内側)の住人。
それでも、時には人に寄り添う住まいから離れて、
庭木のように外で自立したいのかな。

なお、カーテンを意味するフランス語 rideau は男性名詞。
上の作品の絵の黒いカーテンの群れを見ていると、
『人間嫌い』の主人公にもどこか通じているような
真面目で厭世的な男性達を想像してしまう。


柔らかで、時には自立して澄まし顔をする布の魔法を、
今ではとても気に入っている。



金属のアームホルダーについてはこちら
www.toso.co.jp/

ギボウシのダンス

  • Day:2012.05.14 07:37
ギボウシのダンス


冬は何もなかった地面に新芽が元気よく出てきた。

見ているうちに、葉が裏返っていたりして、様子が変な事に気がついた。
どうなっているんだろう。

先端が絡まっているだけかと思ったら、完全にくっついている。
よく見たら、少なくとも3カ所で同じことが起こっている。



なぜか懐かしくなってきた。
ぼんやりと映像が浮かんでくる。

フォークダンスで二人が頭の上で手をつないでいる。
女子は男子の上げた腕の下をターンしながらくぐるんだけれど、
手がねじれてしまって、どうしていいか分からなくなってしまった...



指先をくるっとさせて、離すタイミングが難しいよね。
触り心地のいい指とそうじゃないのがあったな。

遠い目をしながら、スーパースローモーションのフォークダンスを、
見物させてもらいますよ。

母の日に

  • Day:2012.05.13 07:41
母の日に


感謝のバラを


モッコウバラ

  • Day:2012.05.12 07:37
モッコウバラ


Jazz&

  • Day:2012.05.11 00:00
JAZZ&


普段使っているMacがメンテナンス中なので
昔のノート型パソコンを引っ張り出す。
このPowerBookG4にも随分お世話になった。

ビル・エヴァンスを聴きながら、
軽快なキータッチがすべるようで気持ちいい。
通りすがりにHがタイプしていく。

”Witch Craft”

魔法にかかったみたい。
ジャズとパソコンは相性がいい。



それにしても、まだ充分使えるのにどうして
サブマシンになったんだっけ。

xBill Evans

何、この「x」?
キスマークでもいいけれど、一拍遅れるってことだろうか。
いや、キーボードの接触不良だ、ってWは言うけれど。
きっと、オフビートって事ね。やるじゃない。

xxThelonious xcっMonk
うんっ 絶妙な不協和音。

タイプしていない文字が勝手に走っていく。
xxx improvisationx xxcxxxっっっxcxx

即興演奏のつもりらしいけれど
ちょっとやりすぎじゃないかな。



”I    っxShould   っっっx Care”
なんだかスローなテンポになってきた。
失速してきたというか。大丈夫?


少し休んでもらおう。
スリープにしたら、ほどなく側面の口金の部分にある
青白いLEDがゆっくりと点滅した。

まるで寝息を立てるように。




good night xxxx




"Witch Craft" Bill evans trio
"I Should Care" Thelonious Monk
音楽はこちらをクリック


学校へ行かねば

  • Day:2012.05.10 07:42
... ならないのだろうか。
親の仕事で台湾に住むことになった時、その地域にはちょうどいい学校がなかった。
数年分の教科書を買い、8つのトランクと共に移り住んだのだ。
「お勉強が遅れるわね」と囁く人もいたが、家族は余り気にしなかった。
もちろん、私も。

教科書で自宅学習のようなことをしていたが、
フィリピン系の修道会がやっているスクールに、
少しの間、行ってみることになった。

米軍の基地の子供達が大半で、初めての英語の世界だった。
親に教科書を読んでもらい、意味は分からなくても読めるようにした。
シスターが発音しにくい名前の男の子には別の名前、
例えば「フランシスコ」が与えられた。

お気に入りは赤いタータンチェックの金属製のランチボックス。
ワックスペーパーにサンドイッチを包んでもらい、
冷たいお水をお揃いの柄の魔法瓶に入れてもらった。
そして、ジュースの素のタブレットを入れるのだ。
舐めると舌に鮮やかな色が残る、添加物だらけの代物だけれど、
たまにはそういう不健康なのもいいよね。

しかしそこは台湾。メガ級の台風がやってくる。
ヤシの木は大きく揺れ、パパイヤの木は折れる。
どこかで木の足場が大音響と共に吹き飛ばされる音。
夜は雨と風とヤシの葉が擦れ合う音でよく眠れない。

翌朝は嘘のように晴れる。台風一過の青空。
これならなんとか行けそうだ。
他の子供達と一緒にガタガタのフォルクスワーゲンのタクシーに、
揺られて学校に向かった。

郊外にある学校に行く道の両脇には、
パキパキとコンクリート製の電信柱が外側に折れて倒れている。
(今の電柱は鉄筋が入っているが、当時は入っていなかったらしい)
切れた電線がスパークしている。

元々何もない場所だったので、呑気に眺めることができたが、
サンダーバードのテーマ音楽&映像が流れると、反射的にこの風景を思い出す。
秘密基地のカムフラージュのヤシの木の代わりに電柱を置き換えて欲しい。

それなのに、休校で、入れてもらえなかった。

こんな日に登校したのは私達だけだった。
ちなみに、ここで学んだことは、
「英語」ではなく「びびらない」ということ。


学校へ行かねば2

窓 - topaz

  • Day:2012.05.09 07:41
窓を開いて - Topaz


実のところ、繊細で柔らかい心の持ち主なのだろう。

突っ張っているから、余計に分かる。
溢れ出る、傷つきやすいものを、
押しとどめ、形にする為には、容れ物がいる。

しなやかな生身の身体があるのに、
地味すぎるか、派手すぎる服で、しゃらんと守っている。
見て見ぬふりをするのは、同じ匂いがするから。

そろそろルールを変えて、ゲームを楽しくしようよ。



蜜の思い出

  • Day:2012.05.08 07:41
蜜の思い出



マグリットの空

  • Day:2012.05.07 07:36
このところ、天気がめまぐるしいが、
晴れた日の空に気持ちよく浮かぶ雲を見ると
思い出すのがマグリッドだ。


マグリット

「美しい世界」
Le beau monde
1962



Rene MAGRITTEはシュルレアリスムの作家として有名である。
単に絵のイメージだけではなく、言葉のイメージの浮遊も楽しんだ作家。
ダリのような生々しい情念とは違った、飄々とした魅力がある。

窓を描かず、代わりにカーテンを空のオブジェのように扱っているのが
イメージをかき立てる。
カーテンはむしろ、空を閉じるものなのに。

1962年の空の意味、そして、冷戦時のカーテンの意味。
現代とは違うはずだが、彼はむしろそういう解釈を好まない人だったので、
それぞれの感性で絵を見ればいい。




さて『ミシンと洋傘の手術台の上での不意の出会いのように美しい。』
というフレーズはシュルレアリスム好きの皆さんにはおなじみ。

19世紀の詩人の言葉を原点にしているそうだ。
しかしながら、当時ミシンと洋傘は同じ場所になかったかもしれないが
今の私達にとってみれば、それほど異常な事態ではない。
この言葉に触発されたかどうかは謎だが、
アンティーク系のジャンクショップではよくある風景であることは間違いない。




話はガラッと変わるが、
ご飯茶碗にみそ汁を、お椀にご飯を、うっかりよそってしまった経験はないだろうか。
もう少しで… という未遂も含む。

実にシュールな体験だから、まだの方は是非。
家族に万が一「こじゃれた猫ご飯?」と突っ込まれたら
「マグリットが日本人だったら、きっとこうするはず」と笑顔で答えて。

眺めのいい部屋

  • Day:2012.05.05 07:41
眺めのいい部屋

書き割り

  • Day:2012.05.04 07:44
僕は幼稚園の頃、
電車の先頭に乗って風景を見るのが好きでした。

よくある男の子の話だ。

そしてそこに見える風景は誰かが映画のセットのように、
書き割りを次々と設置していると思っていました。
電車がゆっくり走る時はいいけれど、
早い時は大変だなと。

この話を聞いた時、びっくりした。

しかしもっと驚いたのは認知心理学の本に、
幼児がこういう認識の仕方をしている場合がある、
という記述をみつけた時だ。
彼は特殊なケースではなかったのだ。



新幹線の窓から写真を撮ることがある。
撮り続けていると首が痛くなってくるが、
走り去る風景をカメラにおさめるのが楽しいのは、
あの男の子と同じ理由からかもしれない。


書き割り1

これを一瞬のうちに書き割りで作るのは大変だろう。
しかし、現代の日本のテクノロジーではそれも可能なのかもしれない。
ちなみにこの施設は関東と東北の電圧を調整する変電所である。
どうせなら、もっとうまく作って欲しかった。
そうすればあの大震災の折に、もっと早く東北に電力を融通できたかも。



書き割り2

何枚も写真を撮り続けた。
そしてついに決定的な瞬間を捕らえた。
これは書き割りを作っている最中の証拠写真ではないだろうか。

電車好きの皆さん
こんな写真を一枚は撮ったことがありませんか。



T-man

  • Day:2012.05.03 07:42
やっぱり人情話ってさ、いいものはいいねぇ。
長距離トラックの運転をしているとラジオが友達だ。

雨がぱらついてきた。
この辺りは霧がでるから気をつけないと。

道ばたに白っぽい何かがいる。
嫌な予感がする。

トラックを降りてみると
白いTシャツを雨に濡らして座りこんでいる子がいる。
家族と遊びに行ってはぐれたという。
置いていくって、全くどんな家族なんだ。
車に乗せてやったよ。

今時めずらしく礼儀正しい子だ。
体も乾いたことだし
途中のお店で一緒にコーヒーでも飲もうか。

コーヒー1つですね。
何言っているんだよ。2つ。当たり前じゃないか。

暖かいカップで手を温める。口をつけようとした時
その子が何をしたと思う?
自分の四角い小さな手を擦り合わせたんだ。
真っ白い手が傷つくのもかまわず。

こぼれ落ちた砂糖。
俺はコーヒーカップでそれを受け止めた。

正直ほろっときたよ。





角砂糖ってホントいいやつだ。





Cはそこまで聞いて
「あのさ、テレビの見過ぎー」

私はベルギーの角砂糖メーカーTiense SuikerのCMが好きなのだ。
全身角砂糖でできたレゴブロックみたいなT-man。
せつなくも美しいお話だ。

「確かにこの角砂糖、角がとれているけどそこまで妄想しなくてもいいんじゃない」
「しかも、話のテーストがぜんっぜん違うし」
とクールに言った。

店内の砂糖入れには角を落とした角砂糖が入っている。
その下にナチュラル系の
ちょっとお高い丸みを帯びた砂糖の粒がある。
主に使われるのは上の角砂糖のもよう。
わざわざ角を落としているのは
丸と四角の二種類の砂糖の形状のテイストを合わせるための工夫と見られる。
実に細かい気配り。

コスト管理だという人もいるが
それは俗人の見方に過ぎない。

私にはT-manの愛の証に見える。


T-manをどうしても見たい人はこちらの動画で。
音楽もいい感じ。



日持ちが良すぎるバラ

  • Day:2012.05.02 07:35
日持ちが良すぎるバラ

こんなバラを見ていると、いつもムズムズする。
冬のキャベツのように幾重にも固く締まった花びらをめくりたい。

花びらの枚数が多いバラに、たまにこういうことが起こる。
開こうとしていたのに寒かったり、
雨でくっついたりして、
咲くタイミングを逸したバラ。

紙風船みたいに真ん中に息を吹きこんでみても、
花びらの外側が少しひらひらするだけでびくともしない。

何日経っても形はほとんど変わらないのに、
少しずつ水分がなくなってきてくすんでいく。
花びらがどんどん薄くなって半透明になり、すじばってくる。

かなり旬が過ぎているのにいたずらに作った肉体を見せびらかす
芸能人姉妹を思い出してしまう。

日持ちがいいんだからいいじゃない、という人もいるけれど
バラは5日ぐらいしっかり咲いてさっと散っていくのが好き。

咲く勢いをなくしたまま、そのままって中途半端。
仕方がない。薄い花びらを丁寧に押し分けて、中の黄色い花芯を見る。

これでちゃんと咲いたことにするよ
あなたも開きたかったでしょ
今まで楽しませてくれて、ありがとう

いつものお別れの前の儀式だ。

マンハッタンの空の上

  • Day:2012.05.01 07:40
マンハッタンの空の上


マンハッタン、アッパーイーストサイドの上空に浮かぶ雲は、
シナモンとジンジャーの香りが漂ってきそう。
メトリポリタン美術館、グッゲンハイム美術館、
憧れの美術館も立ち並ぶエリア。

そんな中にも小さなベーカリーが街角にあって、
優しい空気を上空に運んでいる。

1番街の87丁目と88丁目の間には、1902年創業のGlacer's Bake Shop、
2番街の85丁目と86丁目の間には、Two Little Red Hens というベイカリーが見える。
かわいい名前。ドイツ系が多い場所なのかな。



想像じゃなくて、この小さなカードの「雲」をこすると、
本当に鼻先にジンジャーブレッドマンが現れる。

特殊印刷のインクに香りがしこまれているのだが、
何年経っても、とても品のいい良い香りがする。

イギリス人デザイナー Keith Godard 1975年デザイン、
ニューヨーク近代美術館(MOMA)のカード。
今は販売されていないんじゃないかな。

他にセントラルパークのもみの木、
セント・パトリック教会の上空には乳香の香り、
イタリア人街にはニンニクの雲が、
それぞれデザインされている。

ニンニクの雲だけはこすらなくても匂いがしてしまうので、
紙で覆って「封印」しているけれど、それもご愛嬌。



ネットという「雲」に乗って、今時の空中散歩もいけますよ。

マンハッタンのベーカリーについてはこちら